
パピヨン犬は普通、全体が「フワッ」とした毛でおおわれているが我が家のパピヨン犬「リオ」はショートへアーだ。特に足のあたりは、木枯らし紋次郎が草鞋(ワラジ)を履いたようにすっきりしている。
お母さんがおばあちゃんの家に行くと、いの一番に大歓迎してくれるのがパピヨン犬の「リオ」だ。「リオ」の母親「リリィー」はプライドが高く、いつも「おあいそ」(2往復半しっぽを振る)程度しか歓迎してくれない。※私の場合は両方とも大歓迎なのだが・・・
しかし、その日だけは違っていた。お母さんが家に入って行ってもリリィーがおあいそ程度に歓迎してくれるだけだった。心配になったお母さんは呼んだ「リオォーリオォーどこぉ~」
すると庭の方から、うつむきかげんで上目使いに、すまなさそうな顔をした一匹の犬が、「ヒョコッ、ヒョコッ」と歩きにくそうに近づいてきた。その姿を一目見てお母さんは叫んだ「どぉ~したん!リオォォォ~」
リオの体の色んな部分にトリモチがべとっりくっついていたのだ。特に足から足の裏にかけては、くっついたトリモチに庭の石がくっついて、「石ころでできた靴を履いた犬」状態だった。そりゃぁ~歩きにくいだろうなぁ~
その日おばあちゃんは、出かける前ゴキブリ退治用にと台所の隅に業務用のトリモチを置き、その上に夕食の残りのフライドポテトを餌として置いていた様だ。入ってはいけない事になっている台所に入り、しかもゴキブリの餌を頂戴しようとした「リオ」の愚かな行いの結末が、その姿だった・・・
お母さんによると、台所の至る所にべったりとついたトリモチから想像すると、そのトリモチから逃れるまでには、相当の間「ゴキ犬」になって孤軍奮闘苦しい思いをした様だ。たぶんその間、母親の「リリィー」は座布団の上にひょこっと座って「アホな奴・・」と高見の見物をきめこんでいたに違いない。
その後は言うまでもなく、トリモチだらけの長い毛は、次女に手伝ってもらいながら、お母さんの手で2時間かかってハサミで刈られていった。
サラダ油で拭ってやるとトリモチがとれるのを知ったのは、リオが木枯らし紋次郎の草鞋履き姿になった後だった。
それ以来、大好物のフライドポテトを目の前に置いても何故かリオは目をそらす。
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